「去年の秋ぐらいから、ちょっと様子がおかしいんですよ」と困り顔で建売業者さんが言う。とっくに売れていてもよい物件が、まだ残っているらしい。
えええ〜? この業者さん、かなりの老舗で、長く商売するというのは並大抵の事ではないはず。山あり谷ありの数々を乗り越えてきたはずだ。一体何が起きたんだろう?
よく話を聞いてみると、そこの会社さんだけでなく、どの建売業者さんも、もの凄い危機感を抱えているらしい。それは、大手建売業者、いわゆるパワービルダーと呼ばれる業者の波が押し寄せているからだ。
「新築の家を1日100棟、1年に3万6000棟、分譲住宅日本一」と関東でTVCMを流している業者もあるようだ。それにしても、もの凄い数!
その実現の秘訣は、[数多く土地を仕入れ 〜 早く&安い原価で建築 〜 早く売り早い資金回収] というサイクルを、エンドレスで繰り返すからだ。
お嘆きの建売業者さんの言うには、徹底的なコストダウンをし、もの凄い安値で建物を安値で販売するのだという。真面目に建てていると到底敵わない価格だそうな。
そもそも、どうしてそこまでコストダウンできるんだろう? 気になったので聞いてみると、
・年間販売目標棟数を達成する為とコスト削減の為 に、短い工期で建築する。急がせるあまり雑で手抜きな工事に。
・基本的に現場管理はせず業者任せ。
・外国人労働者を安い賃金で受け入る。言葉が話せないので、現場では囲いをして中を見せない。(それ、指示は理解できているの?誰が何語で指示を出すんだろう?)
・何通りかの間取りのプランを持っていて、土地の選定はそのプランが入るかどうかの選定となる。パターン化されているので、設計代図面代節約。(土地によって陽当たりや通風の向き、環境が違うのに?? 駐車スペースの出し入れ易さ、窓を開けた時のお隣や風景の見え方は案外重要。住み心地に関わるはずなのに?)
・シンプルに建て、それ以外は全てオプション。網戸、引渡し前清掃、屋外の立ち水栓などなど、他では当たり前の装備までもオプション。
・アフターサービス一切なし
・土地購入時、買うそぶりを見せて売主を安心させた後、「稟議を上げたら本社が〜」「本社が〜」と過剰な要求をして、無理やり自分に都合の良い条件を通す。
・土地のお金を払う前に、ちょっとだけ先行工事をさせてくれと言って、どんどん進める。工事途中の苦情やトラブルは、土地の売主さんに向かい、またまたトラブル続発。とばっちりが次の方、つまり住宅購入者に向く事もある。
とまあ、愚痴も混ざってるけど、出るわでるわ(笑)
購入する側としては、地場の業者の悲哀なんて関係ないし、同じ新築なら安いに越したことはないと思うだろう。しかし、同じ新築だけど品質は「同じ」ではない。「早く&安く」は、やはり品質に疑問が残る。耐用年数35年のところが20年しかもたないと言われ、訴訟が多発しているとの噂もある。斯く言う私も、住む人の事を考えない建売住宅なんて、好きじゃない。好きな流れではないけれど。。。それでもいいよ、安いんだもん、という方もやはりいらっしゃるのだから、これも、ひとつの時代の流れなのだろう。そんな方に少しでも損しないようアドバイスを。
建築に詳しい人に同行してもらって、問題点や不具合箇所を全て洗い出す。くれぐれも素人だけで判断してはいけない。また、問題点や不具合箇所を見つけたら、引渡しまでに直してもらう事。そうすれば、購入後のアフターサービスの必要性がなくなる。
ただし完成時には、クロスが貼ってあって表面しか見ることが出来ない。内部に思わぬ不具合があって、もしかしたら20年後には建て替えが必要になるかもしれない事を、覚悟しておくこと。
皆さんは、どこかへお訪ねした時、なんとな〜く暗い感じがするなぁとか、反対に明るくて気持ちがいいなぁと感じたとか、そんな経験はないだろうか? 不動産に関わる仕事をしている私は、数えきれないほどの物件を見てきた。その経験から、「不動産は『氣』を持っている」と確信している。住まうのは、もちろん良い氣のところが良い。建築を請け負った下請け業者さんは、早く早くと尻を叩かれ、土地購入時にはトラブルで泣きを見た人が居る、となるとどうだろう? しかし、所有者が変わると、その人のパワーで『氣』が変わることがある。そんな例もたくさん見てきた。悪い『氣』は、パワーで吹き飛ばしてしまおう。
そうそう、食洗機などの設備は後から取り付けが可能なので、低価格で物件を手に入れてグレードアップする事ができると捉え、かかりそうな金額の目安を立て、あらかじめ予算に組み込んでおく。
これらを実行すれば、パワービルダーの建売でも少し安心になるはずだ。ご健闘を祈ります。
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